S56CA-XX3537 電源入らない
ご申告は電源が入らないとのことです。
マザーボードを取り出して原因を調査します。

カバー取り外し後

基板を調査します。

基盤の状態のまま、アダプタを挿し込んで通電の確認を実施。

電圧は入りますが0A(アンペア)なのでマザーボードが起動していないことになります。

テスターを使用しチップに電圧があるか確認します。

テスターのペンケーブルツールを、調査するチップに当て電圧を測定します。

下の回路図のアダプター,Q1,Q2を調査します。

アダプター部分

19.6V正常です。

アダプターからQ1部分

19.6V正常です。

Q1からQ2部分


通常よりも電圧が低いです。

Q1とQ2どちらかがショート(故障)しています。

詳しく調べるためにQ1,Q2チップを取り外していきます。

チップ取り外し後

データシートでチップの種類を確認し、新品を準備します。

下図はチップの電圧を表した図です。
チップのD ,S,Gにペンケーブルツールを当て、調査します。
(D=入口,S=出口,G=ゲート)

テスターの表示がOLとなればショートしていないです。

Q1のチップを確認します。D →S正常

D→G正常

G→S正常

Q2のチップを確認します。D→S ショート(故障)

D→G ショート(故障)

G→S ショート(故障)

Q1のチップはそのまま取り付け、Q2のチップは新しいものに交換します。

チップ取り付けに適した接着剤を使用します。

取り付け部分に塗っていきます。

チップを付けて乾かします。

接着後

クリーナーを使用し、清掃します。

ガーゼの上からクリーナーを吹き付けます。

吹きかけ後ブラシを使い洗浄します。

清掃後

再度テスターを使い電流が流れているか確認します。


チップに流れる電圧は正常です。

マザーボードを本体に戻します。

一時的に組み立て、アダプターのテストを行います。

アダプター取り付け後

通電していることが確認できました。

BIOSまで起動できました。

本体のカバーを取り付け、作業完了です。

